スキンケアは毎日の日課だからこそ、順番を守ることが大切。
順番を守ることによって各アイテムの効果が発揮されやすくなります。
この記事では、スキンケアの基本的な順番や、肌の悩みに合わせてプラスしたいアイテムについて解説します。
また、スキンケアに関するよくある質問に対する回答も紹介するので、スキンケアに関する悩みのある方は参考にしてください。
\この記事の監修者/
知っておきたいスキンケアの基本的な順番
スキンケアの基本として大切なのは、「洗顔→保湿」の順番を守ること。
順番を守ることで、各アイテムの効果が発揮されやすくなり、すこやかな肌を保つ手助けになります。
まずは、洗顔で肌の汚れや余分な皮脂などを取り除き、そのあとに化粧水や乳液でしっかりと保湿をしましょう。
より健康的な肌を目指したい場合は、肌の状態に合った美容液やフェイスパックなどをプラスします。
そのときも使用する順番に注意が必要です。
ちなみに、この記事では一般的なスキンケアの流れを紹介しています。
使用するアイテムによってはメーカー指定の順番があるケースも考えられるので、その場合はそちらに合わせてください。
また、スキンケアをする目的は朝と夜で変わります。朝と夜とではスキンケアの内容が変わるので、時間帯に合ったスキンケア方法を理解しておきましょう。
スキンケアに必要なアイテムと目的は?
スキンケアでは、クレンジングや保湿などを目的とした基本的なアイテムが必要です。
使用するアイテムやスキンケアの具体的な目的を理解すれば、すこやかな肌状態をキープすることが期待できるでしょう。
基本の4アイテム
スキンケアの基本アイテムとして欠かせないのは、おもに以下の4アイテムです。
- クレンジング
- 洗顔料
- 化粧水
- 乳液
クレンジングは、メイクや皮脂汚れを落とすために必要なアイテム。
オイルやジェル、ミルクなど、さまざまなタイプがあります。
そのため、肌質やメイクの濃さ、ウォータープルーフアイテムの使用状況などに合わせて選ぶことが大切です。
洗顔料は、クレンジングで落としきれなかった汚れをさらに洗い落としたり、使用したクレンジングを洗い落としたりする役割があります。
洗浄力が高いものほど肌が乾燥する可能性も考慮して、選ぶ必要があるでしょう。
化粧水は、肌に水分を補う目的で使用するアイテム。
化粧水を使用することで、次のステップで使用する美容液やクリームを浸透しやすくする働きも期待できます。
乳液は、化粧水で補給した水分を肌に閉じ込め、乾燥を防ぐ目的で使用します。
化粧水のみでも十分うるおいを実感できるかもしれませんが、うるおいを逃がさないように乳液で肌に“ふた”をすることも大切です。
朝と夜で異なる、スキンケアの目的
肌を良好な状態で保つためには、朝と夜のスキンケアを怠らないようにしましょう。
ただし、朝と夜とでスキンケアの目的が変わるので、それぞれどのような目的で実践するのかを理解しておく必要があります。
朝のスキンケアの目的
朝のスキンケアの目的は、皮脂や寝ているときにかいた汗などの汚れを落とすことです。
さらに、しっかり保湿をして、肌を乾燥や花粉、紫外線などの外的刺激から守ることも目的の1つ。
また、メイクによる肌ダメージを緩和するためにも、朝のスキンケアは重要です。外的刺激から肌を守るために、朝のスキンケアで肌を整えてバリア機能を正常に保つようにしましょう。
夜のスキンケアの目的
夜のスキンケアの目的は、メイクや皮脂などの汚れを落とすことや、日中に受けた紫外線や花粉などによるダメージを回復させることです。
夜間は肌をすこやかに保つために大切な時間帯。肌に十分な栄養を与えてターンオーバーを促し、肌にトラブルが起こらないようにしましょう。
肌の悩みに合わせてプラスしたいアイテム
より良い肌の状態を目指すには、肌の悩みに合わせたアイテムを追加したスキンケアが効果的。
例えば、以下のようなアイテムは、特定の効果を期待したいときに使用することが多いでしょう。
ブースター | 導入化粧水、導入美容液や先行美容液とも呼ばれるアイテム。洗顔後、化粧水の前に使用する。 |
---|---|
美容液 | くすみ、毛穴対策、年齢に合わせた肌悩みなど、特定のケアをするためのアイテム。 |
オイル美容液 | 肌の水分を閉じ込めて蒸発を防いだり、外的刺激から肌を守ったりする効果などが期待できる。 |
パック | 洗い流すタイプなどもあるが、手軽に使用できるのはシートタイプ。顔にシートを密着させることで、肌のキメを整えるなどの効果が期待できる。 |
拭き取り化粧水 | 古い角質、汚れなどを拭き取ることを目的としたアイテム。 |
日焼け止め | 紫外線によるダメージを防ぐために使用するアイテム。ローションタイプやスプレータイプ、クリームタイプなどがある。 |
クリーム | 化粧水後の保湿を目的としたアイテム。乳液よりもこってりとしたテクスチャーで、肌の水分や油分を補い、保ちたいときなどに効果的。 |
ナイトクリーム | 肌をすこやかに保つために大切な時間帯に使用。年齢肌へのアプローチなどを目指す。 |
アイクリーム | 皮脂腺やセラミドが少なく、角層も薄いデリケートな目もとに使用するアイテム。 |
これらのアイテムは、自分の肌の悩みに合わせて選びましょう。
【朝】基本のスキンケア5ステップ
ここでは、朝の基本的なスキンケアについて解説します。
ちなみに、ここで紹介するのは一般的なスキンケアの流れです。メーカー指定の順番がある場合はそちらに合わせましょう。
すこやかな肌の維持や肌トラブルの予防には、適切なスキンケアによる洗浄と保湿が大切。
そのためにも、ここからはスキンケアの手順だけでなく、各ステップでの「美肌を目指すためのポイント」も詳しく解説します。
STEP1 洗顔
就寝中に分泌された皮脂や汚れは、時間が経つとともに酸化して老化が進行する原因になってしまいます。
そのため、起床後の洗顔は、スキンケアのなかでも欠かせない重要なステップといえます。
肌ダメージを防ぐためにも、朝はよりマイルドに顔を洗う必要があります。
洗顔するときは、泡立てネットなどを使用して洗顔料をしっかりと泡立てましょう。
泡を流すときは、ぬるま湯を使用します。ぬるま湯の温度は、皮脂が溶け出しやすいといわれている32度前後くらいが理想的。
肌が水圧でダメージを受けることもあるので、シャワーから出るお湯を直接顔にあてるのは避けたほうがよいでしょう。
また、洗顔料の種類や成分によっては、肌荒れなどにつながる可能性も。
個人の肌質によりますが、成分表示に「エタノール」(いわゆるアルコール)と記載されているものは、刺激につながりやすいスキンケアアイテムといえます。肌質などによっては、ぬるま湯のみで洗顔を代替することも可能です。
STEP2 化粧水
基本的に、スキンケアでは水分が多いものが先、油分の多いものがあと、という順序があります。
脂溶性の乳液やクリームを先に使ってしまうと、化粧水は浸透しにくくなります。
これは、油が水を弾くのと同じ仕組みです。そのため、洗顔が終わったら、先に化粧水を使います。
ちなみに、朝のスキンケアでおすすめの成分は、肌質によって次のように異なります。
- 脂性肌の場合:皮脂を抑制するナイアシンアミドやビタミンC
- 乾燥肌の場合:肌の水分保持を助けるヒアルロン酸やセラミド
また、化粧水の前にブースターを使用することで、化粧水が角質層までよりアプローチしやすくなります。
化粧水に関する詳しい情報を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
STEP3 美容液
美容液は、特定の肌悩みをケアする際に使用するアイテムで、使用必須というわけではありません。
基本のスキンケアをしたうえで、理想の肌状態を目指したいときに取り入れるのがおすすめです。
化粧水やクリームとは違って、美容液は特定の肌悩みに集中したアプローチを実現します。例えば、シミ、シワ、たるみといった肌悩みがある場合は、その状況に合わせたアイテムを選びましょう。
一口に美容液といっても、製品によって含まれている成分はさまざま。
朝のスキンケアで使用する際は、UVカット効果のあるものや保湿力の高いアイテムを利用するのがおすすめです。
特におすすめの成分として挙げられるのは、レチノール誘導体。
レチノール誘導体はレチノールを取り込みやすくなるように安定させたもので、紫外線に対して比較的安定した性質があり、分解されにくくなっています。
レチノール誘導体を配合している美容液を使用するときは、日焼け止めと一緒に使用するのが効果的です。
STEP4 乳液・クリーム
乳液やクリームには肌の水分を逃さないようにする役割があり、どちらのアイテムも化粧水を使って肌に水分を補給してから使用します。
乳液とクリームの違いとして挙げられるのは、含まれている水分や油分の割合です。基本的には乳液で大丈夫ですが、肌の乾燥が気になる場合は乳液とクリームを併用して保湿効果を高めるのがおすすめ。
使用方法はどちらも難しくなく、適量を手に取って顔全体に塗り広げるだけです。
STEP5 日焼け止め
日焼け止めは、紫外線を反射・吸収することで、肌に与える影響をやわらげます。
一口に日焼け止めといっても種類は数多くあるので、利用シーンに合った日焼け止めを選ぶことが大切です。
紫外線は、シワやシミなど、悩みやすい肌トラブルにも関連しているとされています。室内でも紫外線は届くことがあるので、日焼け止めは外出をしない日でも使用しましょう。
また、肌の老化の原因は自然老化が20%に対して、紫外線による老化が80%を占めているともいわれています。
そのため、紫外線対策はスキンケアのなかでも重要なステップです。
ただし、日焼け止めには紫外線から守る役割をもつ成分が含まれています。
この成分によっては、肌に負担がかかることも考えられます。また、保湿が十分な状態で塗ったほうがなじみやすい性質があるとされるので、スキンケアの最後に使用するのがおすすめ。
日焼け止めに関する詳しい情報を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
【夜】基本のスキンケア5ステップ
ここからは、朝のスキンケアと比較しながら、夜の基本的なスキンケアについて解説します。
ちなみに、ここで紹介するのは一般的なスキンケアの流れなので、メーカー指定の順番がある場合はそちらに合わせましょう。
STEP1 クレンジング
クレンジングは、メイクや皮脂、日焼け止めをしっかり落とすために欠かせません。
クレンジングをするときは、手を清潔にすることや肌を傷めないように優しく扱うこと、規定量を守ることが大切。
特に、クレンジングでは「乳化」がポイントになります。
乳化とは?
乳化とは、水と油が混ざり合い、白く濁る現象を指します。
クレンジングの際、メイクや皮脂などの油性の汚れを落とすため、オイルクレンジングには油分が含まれています。
通常、水と油は混ざりにくいものですが、これを「乳化」させることで、油分を短時間で浮かせて効率的に洗い流すことができます。
乳化が必要なのは主にオイルクレンジングであり、ジェルタイプやミルクタイプのクレンジングは乳化を必要としない場合が多いです。
ただし、一部のジェルクレンジングやバームタイプの製品も、乳化を促すことで効果が上がるものもありますので、製品の指示を確認することが重要です。
乳化のやり方
1.クレンジングを顔全体になじませる
規定量を手に取り乾いた顔全体に優しく広げる。
指先を使いメイクや汚れとクレンジングをしっかりとなじませてください。
※この段階ではまだ水を使わず、油分同士をなじませることが重要
2.少量の水で乳化させる
手を少し濡らし、顔の上に少量の水を加えながら、優しく円を描くようにマッサージします。
クレンジングが白く濁ってきたら「乳化」のサインです。
この時、しっかりと水をなじませることで、油分が浮き上がり、汚れを落としやすくします。
3.水で洗い流す
乳化が確認できたら、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。
ここでしっかりとクレンジング剤を落とすことが、肌に負担をかけないためにも重要です。
ダブル洗顔が必要な場合
クレンジングの種類がダブル洗顔不要タイプでない場合は、クレンジングの後に洗顔も必要です。
クレンジングだけでは肌に残る汚れが完全に落ちないこともあるため、洗顔で仕上げることで、肌を清潔な状態に保ちます。
STEP2 洗顔
洗顔では、クレンジングで落としきれなかった汚れを落とします。
特に、皮脂汚れが溜まりやすい額や小鼻、あごなどは念入りに洗うことが大切です。
ただし、力を加えるなど摩擦を起こさないように洗うことがポイントです。
朝のステップでも解説したように、洗い流すお湯の温度は32度前後に設定して、シャワーのお湯を肌に直接あてないようにしてください。
ちなみに、洗顔で特に重要なのは、すすぐ回数です。洗顔料をしっかりと洗い流すには、30回ほどすすぐ必要があります。
洗顔料が肌に残ったままスキンケアに進む方は少なくないので、すすぐ回数を意識するだけでも肌のコンディションが良くなるかもしれません。
STEP3 化粧水
夜のスキンケアにはクレンジングが含まれているので、朝のスキンケアよりも肌が乾燥しやすい状態に。
そのため、洗顔をしたあとには、すぐに化粧水を使用すると安心です。
化粧水の効果をさらに高めたい場合は、化粧水の前にブースターを取り入れるとよいでしょう。ブースターを使うと、化粧水が角質層までアプローチしやすくなります。
STEP4 美容液
美容液は、基本のスキンケアでは少し物足りないと感じる場合に取り入れると良いアイテムです。つまり、必須アイテムというわけではありません。
美容液には、保湿や年齢肌へアプローチできる成分などが含まれています。夜に使う美容液は夜専用か、朝夜どちらでも使用できるものを選びましょう。
特に夜には、レチノールやビタミンCなどの安定性が低く紫外線に弱い成分や、ペプチドなどの肌の休息時に供給しておきたい成分が配合されたものがおすすめです。
STEP5 乳液・クリーム
すこやかな肌に保つためには、夜のスキンケアが大切。
それをサポートするには、特に保湿力の高い乳液やクリームを使用してみることをおすすめします。
また、よりしっかりとケアをしたい場合は、アイクリームやナイトクリームを併用するとよいでしょう。
スキンケアのよくある質問
ここでは、スキンケアに関してよく寄せられる質問や、質問に対する回答を紹介します。
Q1.すべてのアイテムをそろえないとダメ?
すべてのスキンケアアイテムをそろえなくても、十分なケアは可能です。
ただし、少なくともクレンジング、洗顔、保湿(化粧水・乳液)はそろえておきましょう。
特に、化粧水だけでは水分が蒸発しやすいので、乾燥肌の方は乳液やより油分を含んでいるクリームを使用するのがおすすめ。そのほかのアイテムは、肌の状態や目指すケアの目標に合わせて選択しましょう。
Q2.パックは使ったほうがいい?
フェイスパックは、通常よりも念入りにケアしたいときに使用するアイテムです。
パックには朝用・夜用があり、シートマスクや洗い流すタイプ、クリーム・ジェルタイプ、スリーピングマスクなど、さまざまな種類があります。
それぞれの使用タイミングや特徴を考えて、シーンに合わせたパックを選びましょう。
基本的には毎日使用できるものですが、肌に刺激を感じた場合は使用を控えてください。
少しでも高い効果を期待する場合は、製品の使用方法に従うとよいでしょう。
特に、乳液やクリームのあとに使用すると浸透率が下がるので、化粧水や美容液のあとに使用するなど、順番を守ることが大切です。
Q3.オールインワンジェルだけでも大丈夫?
オールインワンジェルは、化粧水・乳液・美容液などがすべて含まれた便利なアイテム。手軽にお手入れを済ませたい場合には、オールインワンだけでも問題ありません。
ですが、特定の肌悩みに対してさらに効果的なケアを望む場合は、別のアイテムを組み合わせることを検討してみましょう。
最近は、高品質なオールインワンジェルが多数販売されています。肌タイプや使用感など、自分の理想により近づけそうなものを選んでみてください。
Q4.メンズとレディースでスキンケアの種類や順番を分けるべき?
男性と女性の肌を比較すると、大まかな特徴は異なる傾向にあります。
男性の肌は厚みがあって脂性肌が多い傾向ですが、女性はメイクなどの生活習慣や性ホルモンの影響を受けやすく、水分量も損なわれる傾向です。
スキンケアの順番は男性も女性も同じですが、肌質に合わせて種類を選ぶことが大切です。性別だけを気にしすぎず、自分の肌質に合わせてアイテムを選びましょう。
Q5.季節ごとのスキンケアの注意点は?
季節によって、スキンケアで注意すべきポイントが異なります。
春は、花粉やほこり、環境の変化によるストレスなどに注意が必要です。
しっかりと保湿やUV対策を行ないましょう。
夏は、紫外線が特に強い季節。
また、汗の量も増えて肌のごわつきなどが気になるかもしれません。
保湿ケアやUV対策などを行なって、肌質を維持することが大切です。
秋は乾燥が始まる時期なので、保湿アイテムを用意しておくと安心です。
また、秋にも紫外線が降り注いでいるので、UV対策は継続しましょう。
冬は乾燥がピークに達するので、クリームやオイルなどを使ってスペシャルケアをするのが理想的。
パックやマスクなど、集中ケアを実現できるアイテムを活用しましょう。
なお、冬でも紫外線は降り注いでいるため、UV対策も継続できるとよいです。
季節のスキンケアについて詳しい情報を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
スキンケアの順番を守って肌を美しく保とう!
スキンケアの効果を高めるためには、アイテムごとの使用目的を理解することや、それぞれのアイテムを決まった順番で使用することが大切。
また、朝と夜とでは、スキンケアの方法は異なります。
そのため、何となく一般的な方法でスキンケアをしている方は、正しいスキンケア方法を確認・実践しましょう。
肌に関する悩みは人それぞれで、必要なアイテムも異なります。
自分の肌には何が必要なのかを考えて、適した方法でスキンケアをしてみてください。