アイシャドウは、メイクのなかでも目元の印象を変える特に重要なアイテム。
とはいえ、一重や奥二重の方は、どのようにアイシャドウを使えば自分に似合うメイクができるのか、悩むことも多いのではないでしょうか。
今回は、初心者の方でも簡単にできるアイシャドウの基本的な塗り方やコツを解説します。
一重や奥二重の方の魅力を最大限に引き出すためのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
アイシャドウの効果・役割とは?
アイシャドウのおもな役割は、目元に陰影を付けて立体感や奥行きを出すこと。
目と眉の間を短く見せる効果もあり、それによって目が大きく見えます。
アイシャドウは色や塗り方によって印象が変わり、目元の表情を豊かにできるのが魅力です。
ぱっちりとした大きな目に見せたり、優しい雰囲気を演出したりできるので、塗り方のコツを覚えれば、自分のなりたいイメージに近付けるでしょう。
【基礎知識】アイシャドウを塗る3つの場所
目元に深みや立体感を与えるアイシャドウは、塗る場所が重要なポイント。
大きく分けて、次の3つの箇所を意識して塗るのがおすすめです。
- アイホール
- 目尻・目のキワ
- 涙袋
それぞれ詳しく解説します。
1.華やかさをプラスする「アイホール」
「アイホール」とは、目頭から目尻までを半円状に囲んだ上まぶたの部分を指します。
アイシャドウは、このアイホール全体に広めに塗るのが一般的です。
目を開けたときにほんのり色が見えるようにのせれば、目元が華やかに見えます。
一重や奥二重の方もアイホールに色をのせることで目元に陰影ができ、はっきりした印象を作ることができるでしょう。
2.目元をキリッと引き締める「目尻・目のキワ」
「目尻」とは、耳に近いほうの目の外側3分の1程度の、溝部分のこと。
具体的には、黒目の外側から、上まぶたと下まぶたがつながっている位置あたりまでの場所を指します。
ちなみに「目のキワ」は、まつ毛の生え際ギリギリの部分のことです。
目尻や目のキワには、おもにダークカラーや濃いめの締め色を使うことが多いです。
この部分にアイシャドウを塗ることで、目元の印象をキリッと引き締める効果があります。
◇3.ぱっちりと愛らしい印象になる「涙袋」
「涙袋」とは、下まぶたのすぐ下にあるふくらみのことを指します。
笑ったときにプクッと盛り上がる部分です。
涙袋のアイシャドウを塗ると、目を大きく立体的に見せる効果があり、ぱっちりした目元を演出できます。
ハイライトなどの明るい色をのせることで目元がふっくらつややかに見え、うるっとした愛らしい印象になりますよ。
初心者でも大丈夫!失敗しないアイシャドウの塗り方
アイシャドウは基本的な塗り方を押さえれば、きれいに仕上げることができるでしょう。
特に初心者の方には、同色系の色がセットになっている「アイシャドウパレット」の使用がおすすめです。
アイシャドウパレットにはスポンジ素材のチップが付属していることが多いため、ここではチップを用いた塗り方をご紹介します。
アイシャドウの基本的な塗り方
こちらを開閉して確認してください
- 最初に淡い色(b)をチップに取り、アイホールに広げる
- 中間色(c)を二重幅、あるいは目を開けたときにほんのり色が見える程度の幅に塗る
- まぶたのキワに、濃い締め色(d)をライン状に細くのせる
- 色が付いていないチップでぼかす
- 涙袋に淡い色(a)を塗る
- 必要に応じて色を重ね、調整する
アイシャドウは道具によって発色や印象が変わります。
チップのほかにも、アイシャドウを塗るための道具をのちほどご紹介しますので、そちらも参考にしてみてください。
初心者さんにおすすめのアイシャドウ
初めてアイシャドウを使う方にぴったりな、プチプラで試しやすいパウダータイプのアイシャドウを紹介します。
ナチュラルな印象にしたいとき
☑青み寄りの色味:キャンメイク「シルキースフレアイズ [M06]リマグレージュ」
透け感のあるやわらかな印象の目元を作ります。
肌なじみの良いピンクベージュで、ナチュラルな発色のため、ナチュラルメイクが好みの方向けのカラーです。
☑黄み寄りの色味:キャンメイク「シルキースフレアイズ [M05]マホガニーモカ」
全体的に黄み寄りの落ち着いたブラウン系統で、あたたかみのある目元を演出したい方におすすめです。
ナチュラルメイクが好みの方はもちろん、重ね塗りをすることでしっかりメイクが好みの方にも対応できます。
華やかな印象にしたいとき
☑青み寄りの色味:セザンヌ「ベージュトーンアイシャドウ 05ライラックベージュ」
華やかながら透明感のあるライラックベージュは、初心者の方でもチャレンジしやすいアイシャドウです。
ラメ・パール・マットの質感がそろっていて、日常から特別な日のお出かけまで対応できます。
☑黄み寄りの色味:セザンヌ「ベージュトーンアイシャドウ 04ミモザベージュ」
淡い発色で明るい印象を与えるミモザベージュ。
ふんわり明るく、かわいらしい目元を演出します。
ラメカラーを上まぶたや涙袋にのせれば、より華やかな印象に。
スタイリッシュな印象にしたいとき
☑青み寄りの色味:エクセル「リアルクローズシャドウ CX03:パフスリーブ」
クリアで美しく発色する青み寄りのモーヴピンク。
塗り重ねてもくすみにくいため、初心者の方でも扱いやすいアイシャドウです。
薄く塗ると透明感のある仕上がりに、濃いめに塗れば凛とした力強い目元に仕上がります。
☑黄み寄りの色味:リンメル「ワンダーエバーアイシャドウ 007 自然のパワーを感じる カーミンググリーン」
深みがあり落ち着いた雰囲気で、クールな印象のカラーパレット。
目力のあるスタイリッシュなメイクがしたい方におすすめです。
仕上がりを左右する!アイシャドウの塗り方のコツ
初心者の方でも失敗しにくいアイシャドウの塗り方のコツは、以下の3つです。
- 塗り方のコツ1:なりたい印象に合わせて色味と濃さを調整する
- 塗り方のコツ2:塗る広さによって「盛り」加減が変わる
- 塗り方のコツ3:グラデーションを作りやすいカラーを選ぶ
色の選び方をご紹介します。
塗り方のコツ1:なりたい印象に合わせて色味と濃さを調整する
アイシャドウは色味や濃さによって、目元の印象が大きく変わります。
抜け感のある印象にする場合は、オレンジやピンクなどの暖色系をさりげなくのせるとよいでしょう。
スタイリッシュな印象にしたい場合は、カーキなどのスモーキーな色味を。派手になりすぎることなく、クールに仕上がります。
どのような印象にしたいかによって色味や濃さを調整して、自分に合うアイメイクを探してみましょう。
色の濃さや色味を調整する際のポイント
アイシャドウは最初から色をのせすぎず、少しずつ塗り重ねていくのがポイント。濃かったり違和感があったりしないかなど、その都度鏡でおかしくないかを確認しながら塗るとよいでしょう。
チップは初心者でも塗りやすいアイテムですが、強く押しつけると摩擦で肌にダメージを与えてしまう可能性があるため、優しくなでるように塗ってください。
ブラシの場合はチップよりベタっと付かず、濃さをコントロールしやすいといった特徴があります。
それぞれ塗りやすさを試してみて、自分に合った方法を選ぶとよいでしょう。
塗り方のコツ2:塗る広さによって「盛り」加減が変わる
アイシャドウをアイホールに塗る面積、つまり広さによっても与える印象を変えられます。
【広め:アイホール全体に塗る】
- 「広め×濃い色」:目元の印象が強くなり、最も盛れる塗り方。パーティーなどの華やかな場にぴったり
- 「広め×薄い色」:透明感があり、バランスが良い。幅広いシーンに合うナチュラルなメイク
【狭め:アイホールの3分の1程度に塗る】
- 「狭め×濃い色」:クールな印象を与え、派手になりすぎないため、濃い色にチャレンジしたい初心者の方も取り入れやすい
- 「狭め×薄い色」:元の目の印象を活かしつつ、目元にポイントを入れる
「広め」と「狭め」の中間、アイホールの半分程度の幅を「普通」として、アイメイクの際の目安にしてください。
塗り方のコツ3:グラデーションを作りやすいカラーを選ぶ
複数の色を使用する場合は、なるべく近い色味を選ぶことで、まとまりの良い自然なグラデーションが作れます。
多くの色を使う場合は、混ざっても不自然にならないような色を選ぶのがポイントです。
3~5色がセットになっているアイシャドウパレットは、相性の良い色で構成されているのが一般的です。多色使いでもバランスが良く、自然な陰影ができるように組み合わされているため、全色重ねてもきれいにまとまります。
どのカラーを選べば良いかわからない方は、単色で集めるよりもまずはアイシャドウパレットを使用してみるのがおすすめ。
自分に似合うアイシャドウの選び方
自分に似合うアイシャドウを選ぶには、以下の4つを意識するのがポイントです。
- テクスチャーの種類
- 塗ったときの質感
- 目の形
- パーソナルカラー
このなかから1つ、あるいは組み合わせて選ぶと探しやすくなります。
テクスチャーの種類で選ぶ
アイシャドウの選び方の1つに、テクスチャーの種類があります。
なりたい印象に合わせて、パウダータイプ、クリームタイプ、リキッドタイプなどから選ぶとよいでしょう。
テクスチャーごとの特徴
- パウダータイプ:自然な発色でぼかしやすく、初心者でも使いやすい。チップ、ブラシ、指など、どの道具でも塗ることができる
- クリームタイプ:濡れたようなツヤ感があり、肌にしっかり密着。パサつかずしっとりした仕上がりで、持ちが良い
- リキッドタイプ:発色が良く、みずみずしい仕上がり。サラッとしたテクスチャーも高密着。薄く塗ることも可能
塗ったときの質感から選ぶ
アイシャドウには、ラメやパール、マットなどさまざまな質感があります。
質感ごとの特徴と、どういったシーンに向いているのかを押さえて、適したものを選びましょう。
- 大粒ラメ:キラキラと輝きを放ち、印象深い目元に。パーティーやイベントなど、華やかなシーンにおすすめ
- 小粒ラメ:ツヤがあり、うるんだような目元に仕上がる。きらめき度合いは控えめで派手になりすぎないので、普段のメイクにも使いやすい
- 偏光ラメ:角度によってオーロラのように色が変わって見えるラメ。カラーによって韓国アイドルのような雰囲気やポップな印象などになり、楽しみ方はさまざま
- 繊細なパール:目元につややかでさりげない輝きを与える。上品に仕上がるため、オフィスメイクにも◎
- マット:ツヤ感を抑え、シックで大人っぽい印象に。日常使いからオフィスメイク、フォーマルシーンまで使いやすい
目の形から選ぶ
アイシャドウは、一重・奥二重・二重などの目の形によっても、似合う色や質感が異なります。
- 一重:濃淡が付けやすいブラウンやベージュ、グレージュ系の色。マットまたは控えめなパール入りがおすすめ
- 奥二重:ライトな発色の薄めブラウンなど透け感のある色や、明るく軽い印象の色がおすすめ。ラメは目頭などにのせるのが◎
- 二重:ベージュ系など肌なじみの良いカラーに加え、アクセントにバーカンディを入れるとぱっちりした目元を活かせる。繊細なラメ入りのものもおすすめ
パーソナルカラーから選ぶ
パーソナルカラーは、イエローベース(イエベ)、ブルーベース(ブルべ)の2つをさらに4分類し、イエベ春・ブルベ夏・イエベ秋・ブルベ冬に分けられます。
自分に似合う色を選ぶことで、肌をきれいに見せたり、顔色を良く見せたりする効果が期待できます。
- イエベ春:黄みのある肌で、髪や瞳はブラウン系。華やかで若々しいイメージ。黄みのある明るい色や鮮やかな色、ツヤのある質感が似合う
- ブルベ夏:わずかにピンクがかった透明感のある肌で、ソフトなブラックの髪に赤みを帯びたブラウンの瞳。ややくすんだ印象のスモーキーカラーや、青みのあるパステルカラーがおすすめ
- イエベ秋:黄みが強いマット肌で、髪や瞳は落ち着きのあるダークブラウン。ブラウンやベージュ、深みを感じるダークカラー、アースカラーが得意
- ブルベ冬:色白、一方で色黒な肌を持ち、髪や瞳は黒く目力が強い印象。クリアで鮮やかな色、ツヤ感やラメ・メタリックなどの質感が得意
パーソナルカラー別のおすすめアイシャドウは、以下の記事も参考にしてください。
アイシャドウを塗るための3つの道具を紹介|それぞれの特徴は?
アイシャドウを塗るための道具には、指、チップ、ブラシの3つがあります。
それぞれ仕上がりに違いがあるため、特徴と使用方法を知ることも大切です。
- 指:手軽にしっかり発色&密着!
- チップ:細かいラインも引ける
- ブラシ:ナチュラルでふんわりとした仕上がりに
思いどおりの目元を作るために、上手に選択しましょう。
指:手軽にしっかり発色&密着!
アイシャドウを指で塗ると発色が良くなるほか、アイシャドウが肌に密着しやすくなります。
特にクリームタイプや、パウダータイプならラメ・パールのアイシャドウに向いています。
指で直接肌に触れるため、色をのせる、ぼかすなどの調整がしやすいのも特徴です。
チップ:細かいラインも引ける
細かい部分にしっかり色をのせたい場合はチップがおすすめです。
粉含みが良く飛び散りにくいので、濃い色を使うときや発色を鮮やかに見せたいときに役立ちます。
チップには細いものから太いものまであり、太めのチップはアイホールに色をのせたり、見たままの色をのせたりするときに便利です。
細めのチップを使えば、まつ毛のキワにアイラインのように色を入れられます。
ブラシ:ナチュラルでふんわりとした仕上がりに
ブラシは、パウダータイプのアイシャドウを使用する際に最適です。
広い範囲にムラなくアイシャドウをのせられ、やわらかい雰囲気に仕上がります。
ふんわりとした自然なグラデーションを作りたいときにおすすめ。
ブラシにもさまざまな大きさがあるため、用途に合わせて選べます。
アイホールはブラシで、目のキワはチップで塗るなど、使いやすいものを組み合わせて使うとよいでしょう。
【目の形別】魅力を引き出すアイシャドウの塗り方のポイント
アイシャドウは、目の形や特徴に合わせてアイシャドウの塗り方を分けることで、目元の立体感や大きさが変わります。
ここからは、目の形別にアイシャドウを塗る際のポイントをご紹介します。
- 「一重」の方向けのアイシャドウの塗り方
- 「奥二重」の方向けのアイシャドウの塗り方
- 「末広二重」の方向けのアイシャドウの塗り方
- 「平行二重」の方向けのアイシャドウの塗り方
手順を参考に、より魅力的に見えるアイシャドウの塗り方をマスターしましょう。
「一重」の方向けのアイシャドウの塗り方
一重の方は、目元に立体感が出るように塗るのがポイントです。
陰影のつけ方を上手にできればハリも生まれます。
【手順】
- ハイライトカラーをアイホール全体に塗る
- 中間色をアイホールの3分の1程度まで塗る
- 濃い色(締め色)を目尻と目頭のキワに細く入れる。目安は、目を開けたときに色が2~3mm見える程度
- 明るめのハイライトカラーを涙袋に入れる
「奥二重」の方向けのアイシャドウの塗り方
奥二重の方は、透け感のある軽い発色を使うことで、目元が腫れぼったくなるのを防ぐことができます。
目尻側から目頭に向かって自然なグラデーションを作り、ナチュラルな仕上がりを目指しましょう。
【手順】
- ハイライトカラーをアイホール全体に塗る
- 中間色をアイホールの3分の1程度まで塗る
- 濃い色(締め色)を目尻と目頭のキワに細く入れる。目を開けたときに、色が1~2mm見える程度が目安
- 涙袋に明るい色を入れ、ふっくらとさせる
「末広二重(すえひろふたえ)」の方向けのアイシャドウの塗り方
末広二重とは、目頭部分は二重幅がくっついていて、目尻に向かって広がっていく二重のことです。
この形では、目頭は薄く、目尻にかけて徐々に濃い色をのせていく「縦割グラデーション」にするのがポイント。
また、下まぶたにもメインカラーをのせることで、上下のバランスが良くなります。
【手順】
- アイホール全体にベースカラーを塗る
- 目頭を薄く、目尻は濃くなるようにグラデーションを意識して、メインカラーを二重幅全体に塗る
- 目尻側の下まぶたにもメインカラーを塗る
- 濃い色(締め色)を、目尻側のキワに入れる
- 黒目の上下、やや目頭寄りにラメをのせる(お好みで)
「平行二重」の方向けのアイシャドウの塗り方
平行二重は、目頭から目尻までがほとんど同じ幅になっている二重のこと。
平行二重の方は、目の縦幅を強調することで、ぱっちりした目がさらに大きく見えます。
目のラインと平行にだんだん濃くなる「横のグラデーション」を意識しましょう。
【手順】
- アイホール全体にベースカラーを塗る
- メインカラーを二重幅全体に塗る。目尻と目頭はやや濃いめにのせる
- 濃い色(締め色)を目のキワに入れる
- 上下のまぶたにラメなど明るい色をのせ、縦幅を強調する
アイシャドウの塗り方を理解してもっとかわいくなろう!
アイシャドウは、目の形や自分に合った色、質感を選ぶことで印象が大きく変わります。
今回ご紹介した、アイシャドウを塗る場所や塗り方のコツ、アイシャドウの選び方を押さえれば、初心者の方でも思いどおりのアイメイクができるようになるでしょう。
また、一重や奥二重、末広二重、平行二重など、目の特徴に合わせたメイク方法で、ご自身の目の形を活かしてより魅力的な目元に仕上げることができます。
慣れてきたら、今まで試したことのない色にもぜひ挑戦して、アイメイクをもっと楽しんでみてください!